ユニークな形のカブトムシ

こんにちは、まめごらいあすです。

今回は工芸品のようなカブトムシのグループをご紹介します。

ゴロファ属(タテヅノカブト)

ゴロファ・アエギオン
Golofa aegeon

ゴロファ属はメキシコ~チリの広い範囲に分布し、おもに竹林に生息している昼行性のグループです。現在30種3亜種が発見されています。

体の形状はタテヅノカブトという和名の由来通りオスは1本ずつの頭角と胸角が上方向に伸びています。また、前足が長く種によっては爪付近の符節にはブラシのような毛が生えています。オスは小麦色の体色が多く、種によっては小麦色のタイプと黒色のタイプに分かれたり黒色のみだったりします。
メスは黒色または小麦色で角がなく一般的なカブトのメスと同じような形です。小型の種では角の発達が弱くメスと区別しずらい場合もあります。
オスもメスも毛深く、モフモフ好きな方におすすめなカブトムシです。

なぜこのような独特な体形になったのかは生息地の竹林にあると思われます。競争相手は他のオオカブトやクワガタではなく同種であったため細い竹につかまりながら戦うことに特化していったのではないでしょうか。確認するには実際に採りに行くしかありませんね。

異なる別種どうしで分布が重なっている場合があるので、野外品の入荷の際には複数種混ざっている可能性もあります。キャッチャーやショップのの同定ミスもあります。なるべくメスの持ち腹で産卵させるのが好ましいでしょう。複数のメスをセットする場合も産卵セットは個別に組んで得られた幼虫は混ぜずに分けて管理することも重要です。

飼育に関して、高地に生息しているので高温には弱いグループです。全てのステージで20~24℃で飼育するのが無難です。
幼虫期間は種によって異なり、8ヶ月~2年ほどです。大型の種ほど幼虫期間が延び、雌雄での羽化ズレの可能性が高くなります。幼虫は気性が荒く、噛み合う場合もあるので個別飼育推奨です。
羽化後は休眠期間がある種もいます。休眠明け後は焦らずに十分に餌を与えてからペアリングした方が失敗せず無難です。やっと羽化しても休眠中で☆になってしまうこともしばしばあるので、確実に累代するには幼虫は3ペア以上を飼育した方がいいかもしれません。

ゴロファは多産ですが成虫の寿命が短く、1~3ヶ月程度しかありません。ペアでの活動の時期さえ合ってしまえば産卵は容易です。ポルテリなど大型のゴロファは前足が長いので広いケースでしっかりつかまれる枝を入れて管理すると符節欠けが抑えられます。活動を始めるまでのズレが本属のブリードのネックになりますが、幼虫を雌雄間で温度差をつけるか、大量に飼育するかで解決できると思います。たくさん飼育しても独特な色・形の興味深い虫なので、飼育環境をレイアウトして楽しめるのではないでしょうか。

ゴロファ ポルテリ
Golofa porteri

ベネズエラやコロンビアに生息
頭角を倒して計測すると100mmオーバーにもなるゴロファ属最大種です。前足が特に長いので憧れのテナガコガネの雰囲気が味わえるかもしれません。

ゴロファ クラビゲール
Golofa claviger

コロンビア、エクアドル、ペルーなどに生息
胸角先端がひし形になる人気種です。
以前流通していたエクアドル産の個体は飼育が難しく絶えてしまったようで現在は飼育が簡単なペルー産が流通しています。

ゴロファ ピサロ
Golofa pizzarro


メキシコに生息
胸角先端がヘラ状になるゴロファです。
体色が小麦色のタイプと黒色タイプに分かれます。

ゴロファ テルサンデール
Golofa tersander

メキシコに生息
黒色で長い頭角と僅かな突起の胸角の独特の味わいあるゴロファです。

コメントを残す