ざっくり。ヒラタ語り。弐:ティタティタ

どうも、無銘何処守権兵衛です。
前回は前置き、今回は第二回。
全国のヒラタ好きのヒラタ好きによるヒラタ好きのためにおくる、ヒラタづくしの投稿です。
今回もざっくりとお届けします。

さて、今回は”原名亜種”という言葉について。
多種多様な昆虫を集めている方であれば、一度はお聞きしたことがあるワードと思います。

まず、”亜種”は生物の”種”をさらに細分化する際の下位区分となりますね。
ある種において、別種とするほど大きな違いはないが、同種とするには形態や性質などに差異が見られるもの にこの区分を設けられます。

分類において、色や属性が違えば”亜種”である という事ではありません。
一応付け加えると、”希少種”という区分もありません。

このうち、”原名亜種”はその際に、その種が記載された時のタイプ標本の産地となった亜種を指して言います。
他の呼び方に”基亜種” ”名義タイプ亜種” ”原亜種”などと呼ばれることもあります。
個人的な見解ですが、昆虫界隈では”原名亜種”、熱帯魚界隈では”基亜種”という言葉が使われることが多いような気がします。
いずれにせよ、言葉が違うだけで意味は同じなのです。

早い話、ある種において亜種への細分化が必要な場合、”一番初めにその種として発見され、標本が登録されている亜種”が”原名亜種”なワケですね。
注意点として、必ずしも原名亜種は、分化の過程で元になった原種という意味ではありません。あくまでもその種の中で一番最初に見つかった亜種 というだけですので、頭の片隅に置いておきましょう。

原名亜種の学名は、亜種名に種小名を重ねる形で表記します。
この例で最も有名なのはヘラクレス・ヘラクレスではないでしょうか?
Dynastes hercules herucles
故に、ヘラヘラ。

他にはインドアンタエウス
、ラオスグランディスなど…。
Dorcus antaeus antaeus
Dorcus garndis grandis

いつかの記事でアトラスの亜種について紹介がありましたが、他にもコーカサスやギラファなどのメジャーどころ含め、実は結構多くの虫には、だいたい亜種が存在します。

では本題。
ヒラタクワガタが面白いのは、20以上もの圧倒的な数の亜種が存在するから。
また、未確認の隠蔽種も存在すると考えられており、今後研究が進めばまだまだ増えることでしょう。
さて、そのヒラタクワガタの原名亜種とは、いったいどの亜種なのでしょうか。

表記にして
Dorcus titanus titanus
となりますね。

”ヒラタクワガタ”ということで

ホンドヒラタクワガタ
群馬県産
群馬では地味に、レアだったりします。

ホンドヒラタ、と思いたいですが、実はそうではありません。

そう、ヒラタクワガタ原名亜種は、スラウェシ島北部産の

マナドヒラタ
スラウェシ島北部産
入荷の少ないヒラタですが、こちらが原名亜種です。

通称”マナドヒラタ”がそれに該当します。
このヒラタに標準和名は付いておりませんが、もし”ヒラタクワガタ”という標準和名を付与するのであるならば、この”マナドヒラタ”につけるべきなのかもしれませんね。
また、ヘラクレス・ヘラクレスが”ヘラヘラ”なら、ティタヌス・ティタヌスは”ティタティタ”でしょうか。
マナドヒラタに対してそのような呼び方をしても、きっと通じませんね。
今まで通り、”マナドヒラタ”の方が通りが良いでしょう。

左:マナドヒラタ(ヒラタクワガタ原名亜種)
右:ホンドヒラタ(ヒラタクワガタ日本亜種)

こうしてみると、だいぶ体格が違いますね。
また、ヒラタクワガタの亜種間比較をする際は、

・大あごの形状(内歯の位置・先端歯の突出具合)
・頭楯の形状(口の上のでっぱりの形)
・後足のトゲ

などに着目して比較すると、興味深くて、楽しいですね。

あ、ホンドヒラタは入荷していますよ。
ホンドヒラタも、各県で異なる特徴が見られる という話もあります。
産地別に集めても楽しいかもしれませんね。
国産成虫はこちらからどうぞ。

マナドヒラタは不定期で入荷することがありますので、もし興味があるようでしたら時々、

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それでは良きヒラタライフを。
次回をお楽しみにー。

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