ざっくり。ヒラタ語り。伍:アゲアゲ↑↑でいこう

内歯アゲアゲ↑↑でお送りします。
※テンションはアゲアゲ↑↑ではありません。
無銘何処守権兵衛です。

今回、ざっくりと解説するのは

スラウェシヒラタクワガタ
Dorcus titanus typhon
スラウェシ島 パロロ産 78mm

そう、ネシア便でよく見かけるアイツ。
スラウェシヒラタクワガタです。
かつては”セレベスヒラタ”とも呼ばれていましたね。
今回も、ストック個体からの紹介となります。

スマトラヒラタ、ダイオウヒラタと並び、

でかい・強い・安い

と三拍子そろった人気種ですね。

ある程度マニア度が進んでくると、
なんだスラウェシか・・・
なんて軽視してしまいがちかもしれませんが、titanus亜種としてはなかなか面白い特徴を持っていると思いますので、この機会に再度注目してみましょう。

注目ポイント1
・内歯形状

スラウェシヒラタと言えば、やっぱり内歯の位置が上がり固定、というのが特徴的ですね。

他にも内歯上がりのヒラタと言えば、

テイオウヒラタ、スマトラヒラタ(ベンクール産)が有名ですが、最もシンプルに内歯上がりのヒラタと言えばやはりこのスラウェシヒラタでしょう。
スラウェシだけにスラっとしたシルエットが素敵です。
細くて華奢に見えると表現されることもありますが。

注目ポイント2
・頭楯形状

titanus亜種群の同定によく使われるポイントですね。
ヒラタマニアであってもなくても、ぜひ覚えておきましょう。
スラウェシ島で採れるヒラタは、この形状が台形に近い形となります。
よく似たテイオウヒラタは、この形状が突出し山型になるので見分けられるとよく言われますね。
前回紹介した、原名亜種のマナドヒラタも似た形状を示します。
⇒前回のマナドヒラタについて触れた記事はこちらから。

注目ポイント3
・分布域

原名亜種となるマナドヒラタと同じ島に分布していますが、生息域が被らないようにうまく棲み分けているみたいです。
マナドヒラタは内歯の位置が下がり安定のため、同じ島に棲みながら、内歯の位置がこんなにも異なるって、大変興味深い現象とは思いませんか?

また、お隣のペレン島。こちらにも生息しています。

ざっくりペレン島。
2つの島が山脈でくっついたような形をしている島です。
青がスラウェシヒラタ
赤がマナドヒラタ
の分布域をざっくりと示しています。

この島の分布はちょっと特殊で、島の西側にこの”スラウェシヒラタ”
東側に”マナドヒラタ”が分布しているとされています。
この棲み分けも、興味深い現象ですよね。
もしかすると平行進化を遂げた別亜種だったりして。

それでは今回はここまで。
上がりで太くてカッコイイテイオウヒラタも魅力的ですが、進化や生態の背景としては断然スラウェシヒラタの方が面白いと思います。

安い虫なんて言わないで。
その歴史に思いを馳せながら、また昔飼っていたことがある方は懐かしみながら、ぜひじっくり飼ってみませんか?

コメントを残す