ざっくり。ヒラタ語り。壱:ティタヌスことはじめ

お初にお目にかかります。
無銘何処守権兵衛と申します。

(“むめいいずこのかみごんべえ”と読みます。)

今後、ヒラタクワガタにまつわる、各種の特長や便利なアイテム、管理のポイント等をざっくりと紹介していけたらと思います。

早速ですが
皆様、ヒラタと言えばパッとイメージされるのはやはり
“これ”ではないでしょうか。

ホンドヒラタクワガタ
愛媛県産

そうですね、“ホンドヒラタクワガタ”ですね。

“ヒラタクワガタ”と何か違うのか?と?
“ヒラタクワガタ“という名称はこの種群の総称であり、”ヒラタクワガタ“という和名のクワガタは厳密には存在しないことになります。

国内で、一般的に見られるものは
ホンドヒラタクワガタ
Dorcus titanus piliffer
ということになります。

もちろん、厳密に言うとそうなるだけであり、この虫を指す一般呼称としては“ヒラタクワガタ”が通りが良いでしょう。
また、離島では細分化されており島ごとの特長が大変興味深いです。これらのヒラタについても、次回以降でのいつかの機会に、紹介しますね。

ヒラタクワガタ(titanus)の仲間は、国内に生息するもの、国外に生息するもの、非常に多くの亜種に以下の通り細分化されています。
(分布域については主な産地を記しています。研究者間で意見が分かれているものも含まれます。)

国内産
本州、九州、四国産(本土ヒラタ): Dorcus titanus pilifer
八丈島産(ハチジョウヒラタ): Dorcus titanus hachijoensis
対馬産(ツシマヒラタ): Dorcus titanus castanicolor
五島列島産(ゴトウヒラタ): Dorcus titanuskarasuyamai
壱岐諸島産(イキヒラタ): Dorcus titanustatsutai
宝島、小宝島産(タカラヒラタ): Dorcus titanus takaraensis
奄美大島産(アマミヒラタ): Dorcus titanus elegans
徳之島産(トクノシマヒラタ): Dorcus titanus tokunoshimaensis
沖永良部島産(オキノエラブヒラタ): Dorcus titanus okinoerabuensis
沖縄本島、周辺離島産(オキナワヒラタ): Dorcus titanus okinawanus
石垣島産(サキシマヒラタ): Dorcus titanus sakishimanus
北大東島、南大東島産(ダイトウヒラタ): Dorcus titanus daitoensis

海外産
スラウェシ島 北部一部地域産(マナドヒラタ): Dorcus titanus titanus(原名亜種)
スラウェシ島 南部産(スラウェシオオヒラタ): Dorcus titanus typhon
スマトラ島産 (スマトラオオヒラタ): Dorcus titanus yasuokai
パラワン島産 (パラワンオオヒラタ): Dorcus titanus palawanicus
ミンダナオ島産(ミンダナオオヒラタ): Dorcus titanus mindanaoensis
フィリピン産(フィリピンヒラタ): Dorcus titanus imperialis
マレー半島・ボルネオ島産(マレーヒラタ): Dorcus titanus nobuyukii
ベトナム産(ベトナムヒラタ): Dorcus titanus fafner
タイ産(ウェスタ―マンヒラタ): Dorcus titanus westarmani
中国西部産(ウンナンヒラタ): Dorcus titanus typhoniformis
中国中~東部産(チュウゴクヒラタ): Dorcus titanus platymelus
朝鮮半島産(ファソルトヒラタ): Dorcus titanus fasolt
台湾産(タイワンヒラタ): Dorcus titanus sika

以上、

国内産12亜種
国外産13亜種
計25亜種が知られています。
どの亜種も似たり寄ったりですが、細かく見るとそれぞれ個性があります。

おや?
そういえば“マリンドッケオオヒラタ”や、“テイオウヒラタ”といった有名な面々が上記一覧に見当たりませんね。どうしたものでしょうか。
そのあたりも次回以降、どこかの機会で説明していけたらと思います。

今回はここまで。
次回をお楽しみにー。

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